盟書
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南シナ海
米国政府は米国が欲望するTPPを日本に強引に受け入れさせ、強制的に発効させるため、結託している中国に協力要請し、2008年頃より、人民解放軍海軍の艦艇に、沖縄本島と宮古島の間の航行、日本周回、大隅海峡、津軽海峡の航行、人民解放軍空軍の軍用機に、沖縄本島と宮古島の間の往復飛行、国家海洋局の海監、中国海警局の海警に、日本の領土である尖閣諸島の周辺の日本の領海に対する、極めて執拗な領海侵犯などを行わせ続けてきた。
米国政府はこれらの工作活動により、日本の対中安全保障環境を悪化させ、米国の軍事力による対中安全保障と、日米を中心としたTPP参加国による中国包囲網のため、米国政府が強引に推進するTPPを日本に強引に受け入れさせることを謀ってきた。
そして、米国政府がTPPのための工作活動として、執拗に人民解放軍、農業部漁業局、国家海洋局、中国海警局に日本の安全保障環境を悪化させるための軍事威嚇を行わせ続ける過程で、中国共産党幹部達、人民解放軍、国家海洋局、中国海警局の勢いをつけすぎてしまい、2010年以降の、南シナ海における、国家海洋局の海監、中国海警局の海警、人民解放軍海軍によるフィリピン、ベトナムに対する軍事威嚇、威圧を同時に強化し、勢いづけ、衝突を多発させてしまった。1、2、5
スカボロー礁事件
2012年4月8日、フィリピン海軍機がスカボロー礁の環礁内で停泊していた中国の8隻の漁船を発見し、同月10日、フィリピン海軍がフリゲート艦「グレゴリオ デル ピラール」を同礁に派遣し、フィリピンの法律で禁止されている海産物が発見されたため、検挙しようとしたところ、国家海洋局の2隻の海監が中国漁船とフィリピン海軍のフリゲート艦の間に入り、フィリピン当局の逮捕を妨害した。4
さらに、同月12日、農業部漁業局の漁政がスカボロー礁に出現し、海監、漁政がフィリピンの沿岸警備隊の監視船と対峙した。4
同年5月8日、中国外交部の傅瑩副部長が、フィリピン政府に対して、沿岸警備隊の監視船のスカボロー礁からの撤退、スカボロー礁における中国漁船の操業のフィリピン当局による妨害の中止、中国政府の監視船による法執行の、フィリピン当局による妨害の中止を要求した。
同月10日、新華通信社は、「領土、主権など核心的利益に関わる重大な原則問題において、決して譲歩しない」、「事態を甘く見て悪化させた後、代価を支払う必要に迫られないよう」フィリピンに警告し、人民日報は「実力を持ってすれば、別のやり方を選ぶこともできる」、解放軍報も「中国軍はなおさら容赦しない」などと、それぞれ恫喝した。4
これは、中国共産党が1989年の天安門事件以降、天安門事件の反攻として、米国とその同盟国で展開している三戦の心理戦である。
フィリピン政府はこの心理戦に屈服し、フィリピンの沿岸警備隊の監視船を台風を機にスカボロー礁から撤退させた後、同礁に再派遣せず、一方、中国の監視船が同礁にとどまり続け、中国の実行支配が確立した。3、4
さらに、同年7月24日、中国民生部が、スプラトリー諸島、パラセル諸島、スカボロー礁を含む三沙市政府を設置し、スカボロー礁の実効支配を超えた、行政支配の誇示を行った。4
この、2012年の中国によるスカボロー礁の実効支配の奪取、スカボロー礁を含む三沙市政府の設置による行政支配の誇示も、当然、米国政府が中国に協力要請し、人民解放軍海軍、空軍や、農業部漁業局の漁政、国家海洋局の海監、中国海警局の海警などによるTPPのための尖閣諸島を始めとする東シナ海における対日軍事威嚇を扇動しすぎて、中国に勢いをつけすぎてしまったことが原因である。
さらに、米国政府の中国への協力要請による、人民解放軍、農業部漁業局、国家海洋局、中国海警局の対日軍事威嚇は、2013年には西沙諸島のウッディー島において滑走路延長、2014年以降は、スプラトリー諸島のスビ礁、ファイアリークロス礁、クアテロン礁、ジョンソン南礁、ミスチーフ礁、ヒューズ礁、ガベン礁における、中国による大規模な埋立工事、軍事基地整備を引き起こした。1、2、5
米国政府は韓国に、米国が扇動する北朝鮮の核、弾道ミサイル危機によって米韓自由貿易協定を強引に受け入れさせたのと全く同じ手口で、日本固有の領土の尖閣諸島に対して、中国に協力要請し、人民解放軍や中国海警局に軍事威嚇、領海侵犯等を引き起こさせ、日本にTPPを強引に受け入れさせる、という邪謀の実現を謀ったが、その結果、TPPのために米国に勢いをつけられすぎた中国共産党幹部や人民解放軍は、対日軍事威嚇そのままの勢いで、南シナ海の複数の岩礁の人民解放軍の軍事基地としての機能を、急速に拡大、強化させ、中国共産党の南シナ海覇権のための軍事要塞としていったのである。1、2、5
参考文献
1
防衛省
我が国を取り巻く安全保障環境
南シナ海における中国の活動 2015年12月22日
2
防衛省
我が国を取り巻く安全保障環境
南シナ海における中国の活動 2015年5月29日
3
国立国会図書館
調査及び立法考査局刊行物―分野・国・地域別一覧
中国
南シナ海における中国の海洋進出および「海洋権益」維持活動について
レファレンス 平成25年11月号
国立国会図書館 調査及び立法考査局
外交防衛課 小谷俊介
4
防衛省防衛研究所
中国安全保障レポート
中国安全保障レポート2012
5
防衛省
我が国を取り巻く安全保障環境
南シナ海における中国の活動(2016年12月)
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